ヨーロッパのEC市場と言えば、通常はイギリスやドイツといった伝統的な大国を思い浮かべ、ポーランドに対する印象はそれほど強くないことが多い。

しかし、最近のポーランドのデータは特に目覚ましい。全体的な小売業が低迷する中、ポーランドのECは逆風の中で成長を続けており、この市場は急速に台頭している。

小売低迷の中での逆風成長、どのように実現したのか?

データによると、今年9月のポーランドの総小売売上高は前月比5.7%減、前年同月比3%減となった。しかし、EC販売は逆風の中で成長し、前年同月比4.6%増となった。同時に、ECが総小売売上高に占める割合も8月の8.3%から8.9%に上昇した。

ポーランドのEC売上高が逆風成長 図源:TVP WORLD

この成長の背景には、一方で消費者のオンラインショッピングへの嗜好が高まっていること、もう一方で決済や物流の整備が進んでいることがある。特に衣料品や家具・家庭用品のオンライン販売が顕著で、衣料品のEC販売は前年同月比6.5%増、家具・家庭用品は24.3%増となった。これらの2つのカテゴリーのデータは特に際立っており、オンラインショッピングへの需要が着実に高まっていることを反映している。

ポーランドのEC大手Allegroのデータもこの傾向を裏付けている。

Allegroの第2四半期決算報告によると、商品取引総額(GMV)は150億ズウォティに達し、前年同期比11.6%増、同時に収益も23億ズウォティに達し、23.8%増となった。第2四半期末時点で、Allegroのアクティブバイヤー数は1490万人に達し、ポーランドのEC市場に力強い原動力を注入しており、第3四半期には同プラットフォームのGMV成長率は10%~11%、収益成長率は16%~18%と予測されている。これらの兆候は、AllegroがポーランドのEC市場の着実な成長を牽引する「エンジン」となり、ECエコシステム全体に活力を注入していることを示している。

AllegroはポーランドのEC業績が引き続き上昇すると予測 図源:en.media.allegro.pl

ヨーロッパのECは勢いが盛んで、越境取引がますます活発化

ポーランドのEC成長は特異な例ではなく、ヨーロッパ全体を見渡しても、EC市場は同様に活力に満ちている。

欧州電子商取引協会と欧州ビジネス委員会が共同で発表した「2024年欧州電子商取引報告書」によると、今年の欧州のEC売上高は9580億ユーロに達し、前年比8%増となる見込みである。欧州市場における越境ECの台頭は特に顕著である。

欧州のEC規模は9580億ユーロに達する見込み 図源:eurocommerce.eu

調査機関CBCommerce.euが発表した「欧州越境市場トップ100」報告書では、今年末までに欧州の越境EC市場は3260億ユーロに達し、そのうち約2250億ユーロが越境ECプラットフォームからのもので、その割合は69%になると予測されている。

これらのプラットフォームの中で、中国の越境プラットフォームの欧州市場におけるシェアも無視できない。

欧州の越境ECプラットフォームトップ10の中で、中国のAliExpress、Temu、Sheinはそれぞれ第2位、第5位、第8位にランクインしており、欧州の消費者の間で高い人気を誇り、欧州市場に新たな活力を注入している。

図源:CBCommerce.eu

ポーランドのECトレンドを捉え、欧州市場への新たな可能性を拡大

販売者にとって、地元のプラットフォームを通じて参入するか、独立したサイトで事業を展開するかにかかわらず、ポーランド市場の成長機会を活用することで、製品の欧州市場への拡大に新たな可能性を生み出すことができる。

欧州市場はすでに多様な発展の高速道路に入っている。

ポーランドのECの台頭は、欧州市場の多様化が進んでいるというシグナルである。ユーザーニーズへの注目、ローカライズされた体験の最適化、柔軟な決済・物流サポートの提供に至るまで、ポーランドのECの発展は、間違いなくより多くの販売者に門戸を開いている。