世界のEC大手がラテンアメリカ市場に注目する中、ブラジルを巡る「上陸戦」が静かに始まっている。ラテンアメリカ最大のEC市場であるブラジルは、越境ECプラットフォームにとって不可欠な戦場となりつつある。
最近、老舗大手のMercado Libreが送料補助という「切り札」を投入し、ブラジルにおける送料無料対象外商品に対し最大70%の送料割引を発表した。この「神々の戦い」の背後には、ブラジルEC市場の熱気と暗流が反映されている。

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送料補助戦の裏にある「攻防の道」
Mercado Libreの最新方針によると、価格が79~200レアル(約100~254元)で、重量が30kg未満の商品が重点補助対象となる。
プラットフォームは店舗の信用度や商品価値などの指標に基づき、割引率を動的に調整する。優良出品者は最大70%の送料割引を受けられ、一般出品者でも40%の割引が得られる。
この戦略は、消費者が敏感に反応する「送料無料への不安」に直接訴えかけ、競合他社との物流体験の差を縮めようとするものだ。

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この送料戦争は決して偶然ではない。ブラジルEC協会ABCommのデータによると、2024年のブラジルEC売上高は2042億7000万レアル(約337億ドル)を突破し、前年比10.5%増となった。
この肥沃な市場において、Mercado Libreは33%の市場シェアで首位を維持しているが、背後からは強力な追撃者が迫っている。Temuはわずか半年でShopeeを抜き、ブラジルのECアプリダウンロードランキングで2位に躍り出た。TikTok Shopは年初のローンチ直後からトラフィックの波を巻き起こし、さらに現地に根ざしたAmazonやSheinも加わり、市場構造は激しく揺れ動いている。

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物流インフラの「軍拡競争」
送料補助は表面に過ぎず、本当の勝負は物流インフラの競争にある。
Mercado Libreは、2024年末までにブラジルの配送センターを10か所から21か所に拡張し、特に北東部や中西部などの遠隔地へのカバレッジを強化すると発表した。
同社の電動車両 fleet はすでに3642台に拡大し、三輪車やオートバイなど現地の道路事情に適した車種を含み、ブラジル最大の民間電動車両物流ネットワークとなっている。
さらに強力なのは、サンパウロなどの主要都市で「当日配送」サービスを開始し、納期基準を新たな高みに引き上げたことだ。

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競合他社も同様に積極的に動いている。
Shopeeはブラジルで12番目の物流センターを間もなく完成させ、Temuの広告費は前年比で800倍に急増、Sheinは現地化されたサプライチェーンを通じて納期を5日に短縮している。
まだ本格展開していないTikTok Shopでさえ、1億4000万人のブラジルユーザーベースを活かし、「ライブコマース+即時物流」という新たなモデルを静かに構築している。

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ラテンアメリカECが「深層水域」の競争に突入
表面的には、送料補助はプラットフォームが出品者を争奪するための一般的な手段に見えるが、実際にはブラジルEC競争が第2段階に入ったことを示している。低価格戦略が参入の標準となった今、本当の勝負はサプライチェーンの効率性、現地化サービス、エコシステム構築能力へと移行している。
越境出品者にとって、ブラジル市場の魅力と課題は同様に現実的だ。2億1000万人の人口と80%を超えるインターネット普及率を誇るこの新興市場は、年率10%超のEC成長という恩恵を生み出す一方で、文化の違いや物流のボトルネックといったリスクも潜んでいる。

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TikTokのライブコマース参入やAmazonのラテンアメリカ戦略の調整に伴い、ブラジルEC市場の戦火はますます激化するだろう。そして消費者にとって、この巨人たちの争いがもたらすものは、より速い物流、より低い価格、そして真に成熟したラテンアメリカのECエコシステムかもしれない。



