最近、京東傘下の自営小売プラットフォームJoybuyは今年3月に英国で正式にローンチすることを発表し、欧州市場への第三の戦略的進出の幕開けとなりました。
前回の探索や試行とは異なり、今回は英中貿易協会(CBBC)との戦略的協力協定の締結、そして10年の蓄積と調整を経た「重資産」ローカル戦略が伴っています。
創業者の劉強東は欧州市場への決意を、この新しいプラットフォームを通じて明確に伝えています。

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十年三度の挑戦:京東の欧州夢の曲折航路
京東の欧州進出は決して順調ではありませんでした。これは京東が欧州市場に三度目の挑戦を仕掛けるもので、毎回異なる戦略と市場理解を示しています。
2015年、京東はJoybuy1.0バージョンをリリースし、中国のECモデルを欧州にコピーしようとしました。当時の主な問題はモデルのミスマッチで、京東の主力3Cデジタル製品は、他社が工場直販や直送免税ルートなどで築いた低価格優位を再現できませんでした。
その後、会社の戦略調整や新型コロナの影響を受け、2021年、京東の初の欧州挑戦は終了しました。
2022年、京東は戦略を調整し、オランダで新小売ブランドOchamaを立ち上げ、オンラインとオフラインの全チャネル小売ブランドとして位置付けました。商品戦略も「中国輸出」から「世界厳選・現地運営」へと転換しました。

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ブランドの循環戦
2025年8月、京東は重要な戦略統合を行い、Ochamaブランドの運営を停止し、全ての事業とユーザー資源を同年4月に再始動したJoybuyプラットフォームに統合することを決定しました。
社内ではこの調整を重要な「戦略アップグレード」と位置付けており、主な目的は優位資源を集中させ、コアブランドの市場競争力を強化することです。
このブランド切り替えは、京東が初期探索を経て欧州市場への認識を深めた後の重要な決断です。
Ochamaは市場開拓の段階的使命を果たし、より強いブランド資産と運営経験を持つJoybuyが欧州市場で長期的なローカル運営のコアとなります。
京東の欧州三度の挑戦は明らかに異なる特徴を示しています:

巨額投資による物流の堀
京東が欧州で「遅くて重い」道を歩む自信は、過去数年で着実に築いたインフラにあります。
欧州で京東のコア優位の一つは、深く展開された物流システムです。
「グローバルネットワーク計画」の重要な成果として、京東物流は欧州23カ国・地域に130以上の海外倉庫からなる倉庫ネットワークを構築し、総管理面積は130万平方メートルを超え、フロント業務を強力に支えています。
京東の欧州展開の壮大な戦略は、重要な買収によって加速しています。会社は欧州の大手家電小売グループCeconomy(MediaMarktとSaturnの2大チェーンブランド運営)を戦略的買収ターゲットに定めています。
これらの店舗は今後、オンライン注文・オフライン受取や返品交換の前置サービス拠点に改造され、真のオンライン・オフライン一体化(O2O)小売の閉ループを実現する見込みです。この買収はJoybuyの全チャネル能力構築の重要な一手と見られています。

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十年の鍛錬を経て、京東の三度目の欧州進出の号令が鳴り響きました。3月の正式ローンチは、「重資産+深いローカル化」モデルの実戦検証となります。
この戦いの結果は、単なるプラットフォームの成否だけでなく、中国ECの「重型」ビジネスモデルが世界の成熟市場で成功移植できるかどうかを検証するものです。
欧州EC市場の戦局は、この重量級プレイヤーの本格参入によって、より先行き不透明になっています。

