今年上半期、中国の越境ECは再び目覚ましい成績を収めました。
最新の試算データによると、上半期の中国の輸出入総額は1兆3200億元に達し、前年同期比5.7%増となりました。そのうち、輸出は1兆300億元で4.7%増、輸入は2911億元でさらに速い9.3%の伸びを記録しました。正式なデータは10月に発表される予定ですが、この速報値だけでも業界の成長の勢いが見て取れます。
昨年通年の2兆7100億元規模と比べて、下半期もこの成長率を維持すれば、今年は再び過去最高を更新する可能性が高いです。
さらに注目すべきは、越境EC企業の登録数も急増していることです。今年最初の4か月間だけで新規登録企業は5000社を超え、前年同期比でほぼ2倍になりました。
記者会見現場 画像出典:国新網
なぜ海外消費者は中国製品を好んで買うのか?
中国製品が海外でますます人気を集めている理由はとてもシンプルです。種類が多く、品質が良く、価格もお得だからです。
衣類、スマートフォン、家庭用品まで、コストパフォーマンスの高い商品は消費者の心をつかみやすいです。例えば北欧では、スウェーデンとノルウェーの越境EC注文の30%が中国からで、フィンランドとデンマークも20%を超えています。ロシアでは中国製スマホが爆発的に売れており、上半期に販売された1120万台のうち81%が中国ブランドでした。
このような傾向は驚くことではありません。ここ数年で中国製造の評判は変わり、「安いけど品質は普通」から「高品質で低価格」へと進化しました。海外消費者は、同じ商品でも中国ブランドの方がより良い体験を提供できることに気づき、自然と購入意欲が高まっています。
画像出典:postnord
アリエクスプレス、Temuが海外市場の主力に
このような市場での認知度は、各大手越境ECプラットフォームの目覚ましい実績に直結しています。アリババ傘下のアリエクスプレスは特に際立っています。
韓国では昨年、中国越境ECプラットフォームでの消費総額が4兆2000億ウォンに達し、そのうちアリエクスプレスだけで85%を占めました。PinduoduoのTemuは参入が遅かったものの、成長が非常に速く、今年第2四半期には世界累計ダウンロード数が10億回を突破し、アリエクスプレスの強力な競争相手となっています。
Temuグローバルアプリダウンロード数 画像出典:Statista
これらの大手プラットフォーム以外にも、多くの中国ブランドが海外で名を上げています。
例えばAnker Innovationsは、もともとモバイルバッテリーでスタートし、今では事業をどんどん拡大しています。今年4月、同社のブランドeufyMakeの初の個人向け3DテクスチャUVプリンターが海外クラウドファンディングプラットフォームに登場し、12時間足らずでクラウドファンディング額が1000万ドルを超えました。スマートホームセキュリティのHikvisionは、上半期の越境EC売上高が68億元で、前年比22%増となりました。ロボット掃除機分野のECOVACSやDreame Technologyなどのブランドも、海外で多くのファンを獲得しています。
eufyMake UVプリンター 画像出典:Google
今後の成長余地はまだ大きい
越境ECの盛り上がりの背景には、中国のサプライチェーンの強みと海外市場の需要増加があります。
「友達を作る」海外CEOの郝浠杰氏は率直にこう語っています:「海外市場はこれから最大の成長市場です。」
売り手にとって、チャンスをつかめば成長余地はまだまだ大きいです。
総じて言えば、今年上半期の1兆3200億元規模は、業界発展の一つの節目に過ぎません。より多くの企業が参入し、より多くのブランドが海外進出することで、この数字はさらに伸び続けるでしょう。
消費者にとっても、中国製品を買うにしても海外に売るにしても、選択肢はますます増えていくでしょう。
